建築業界にはさまざまな職種があります。施工管理もそのなかのひとつです。ただし、一口に施工管理といっても、土木や内装、プラントなど、種類によって役割が異なります。いずれも重要な役割を担っている職種ではありますが、そのなかでも「プラント施工管理」という仕事には馴染みのない人も多いではないでしょうか。
プラントとは工場や生産設備一式のことを指します。プラント施工管理は、プラントの設計や、完成したプラントで製造された製品の検査などを行う仕事です。今回は、プラント施工管理の具体的な仕事内容や、働くために必要なスキルなどを紹介していきます。
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目次
プラント施工管理は、作業工程のリスク管理や、工期のスケジュール管理といった一般的な施工管理が主な仕事です。ただし、そのほかの施工管理に比べて、原価管理の重要性が増すのが特徴といえるでしょう。プラント施工管理は規模の大きい案件が多いからです。
工場に設置する機械も高額なものが多く、原価管理が適切に行われていないと、建設作業がストップする恐れもあります。
プラント施工管理は、ほかの施工管理とは異なり、高度な機械を扱うケースが多いのも特徴です。そのため、プラントの設計や製造においては、専門知識が必要になることもよくあります。
特に、制御・計装設計や機器設計、ユーティリティ設計などにおいては、専門のエンジニアと一緒になって作業を進めていく場面も少なくないでしょう。そうしたエンジニアとコミュニケーションを図りながら、スケジュール通りに工程を進めていくことも大切な仕事のひとつです。
プラント施工管理の仕事は、プラントが完成したら終わりではありません。プラントの建造を行う目的は、しっかりした製品をそのプラントで製造することです。
そのため、プラント施工管理においては、「設備がきちんと稼働して、不良品が混じらずに製品が作られることを確認する」という品質検査までが仕事に含まれます。設備に関する知識はもちろん、製品の製造技術に関する知識も必要です。
プラントの建設が一通り終わったら、設備などの試運転を行います。万が一、試運転でトラブルがあれば、問題を解決したうえで工期に間に合わせなければいけません。そのため、試運転は施工管理業務において、とても重要な工程です。
また、仮に試運転に問題がなく、無事にプラントが稼働したあとでも、日々のメンテナンスは欠かせません。プラント施工管理は、「作って終わり」ではなく、その後の保守管理作業まで請け負う責任のある仕事です。
プラント施工管理は、数ある施工管理の仕事のなかでも、幅広い知識が求められます。一方で、一般的な施工管理の知識をおろそかにしていいわけではありません。「安全管理」「品質管理」「工程管理」「原価管理」の4大管理については、最低限の知識を身につけておきましょう。
どれかひとつでも怠ると、トラブルが発生してしまい、プロジェクトが頓挫しかねません。基本の4大管理についての知識をおさえたうえで、それぞれのプロジェクトに必要な専門知識を習得していくイメージです。
プラント施工管理は特殊な設備を扱うため、ほかの施工管理に比べて、より多くの人と密接とかかわりながらプロジェクトを進めていくのが特徴です。自分ひとりだけの判断で工事を進められる部分は限られています。エンジニアをはじめとする専門家とコミュニケーションをとりながら、臨機応変に作業員への指示を出すマネジメント力が求められるでしょう。
また、プロジェクトの規模が大きくなる傾向にあるので、現場の適切な安全管理はもちろん、周辺住民との折衝が必要になる場面もあります。
プラント施工管理は、大きなプロジェクトを請け負う機会も多く、工期に間に合わないなどのトラブルが発生した場合には、多額の損害が発生する恐れもあります。そのため、プラント施工管理の仕事には、大きな責任とプレッシャーがつきものです。
責任感が薄かったり、プレッシャーに耐えられなかったりするような人にはあまり向いていないかもしれません。その分、無事に完成したときの感動はひとしおです。規模の大きい案件を手掛けたいという人にとっては、とてもやりがいのある仕事だといえるでしょう。
プラント施工管理は工事が進んでいる間は基本的に出勤になるため、休日は日曜日と祝日がメインです。休日は工事が止まっているので、基本的に自由に過ごすことができますが、打ち合わせや問い合わせの電話が入ることも珍しくありません。
特に工程が遅れていると、納期に間に合わせるために休日出勤を余儀なくされるケースもあります。休日が日曜日と祝日というのは、あくまでも一般的な話だと理解しておきましょう。ただし、ひとつの現場で複数の施工管理を置くような現場では、ゆっくりと休日を過ごすことができる場合もあります。
施工管理の勤務体系は、勤務先の会社によっても異なるため、できるだけ労働環境の良い会社を探してみましょう。なお、取り組んでいるプロジェクトが完了した場合には、次のプロジェクトに着手する前であれば、まとまった休暇が取れることもあります。
プラント施工管理は大規模なプロジェクトを扱うケースが多く、大きな責任も伴う仕事です。ほかの施工管理と比べて、多数の関係者とコミュニケーションを取る必要があり、マネジメントする作業員の数も多くなる傾向にあります。
その分、やりがいは十分にありますが、環境の悪い職場に入社すると、その責任の大きさから、ストレスに耐えきれなくなってしまうかもしれません。
やりがいを求めて、プラント施工管理の現場で働きたいと考えている人は、職場の事前調査をしっかり行うことが重要です。責任ある仕事だからこそ、途中で投げ出すことがないように、慎重に職場選びを進めていきましょう。
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