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何が違うの?サブコンとゼネコンの違い

サブコンとゼネコンはどちらも建築業界の言葉で、建築業者の意味を表します。「ニュースなどで言葉は聞いたことがあっても、意味や違いはよく知らない」という方も多いかと思います。サブコンとゼネコンは、日本の建築業界を支える重要な存在です。この記事ではサブコンとゼネコンの意味をはじめ、それぞれの違いを解説します。また仕事内容もお伝えするので、今後、建設業界にチャレンジする方やキャリアアップしたい方は参考にしてみてください。

サブコンとは?

サブコンとは「Sub Contractor(サブ・コントラクター)」の略で、ゼネコンから設備関連の工事を請け負う企業です。サブコンの特徴は、電気工事や空調工事などさまざまな専門分野の工事を担当することです。建設工事を完結させるには、専門の工事業者であるサブコンの協力が必要不可欠。設備工事や杭工事、とび工事など各分野のサブコンが複数の工事を同時進行で進めていきます。 サブコンの現場監督は、職人への指導や請け負う業務の進捗管理などを行います。また1人の監督につき1つの現場ではなく、複数の現場を掛け持ちすることも少なくありません。なおサブコンは、基本的にゼネコンからの仕事を自ら行いますが、別の下請け業者に外注することもあります。

ゼネコンとは?

ゼネコンとは「General Contractor(ジェネラル・コントラクター)」の略で、総合建築業者のことです。主に、元請負者として発注者から建築・土木工事を一式で請け負い、専門業者のサブコンに依頼をします。例えばゼネコンは、施主からマンション建設の工事を請け負った場合、マンションの設計や施工、研究を行います。そして専門の建築会社や土木会社に依頼し、建設の監督として各業務を調整するのが一般的な流れです。工事全体をまとめるのはもちろん、各工事の専門業者のマネジメントを行うのもゼネコンの仕事です。 現場では、ゼネコンとサブコンの現場監督が同じ場所で働くことになります。ゼネコンの定義は明確ではありませんが、施工・設計・研究の3つを自社で取り組んでいることが条件です。中でも、売り上げが数千億~数兆円ある企業をゼネコンと呼んでいます。ちなみに、売り上げが1兆円を超えている国内企業5社は、スーパーゼネコンと呼ばれています。

サブコンとゼネコンの違いは?

サブコンとゼネコンの違いは、以下のとおりです。
  • サブコンはゼネコンから工事業務を請け負う下請け業者
  • ゼネコンは工事全体をまとめる業者
サブコンは下請け業者に対し、ゼネコンは元請け業者として工事全体を管理する業者を指します。建設業界の構造はピラミッドで表現され、下請けの業者がトップの業者を支える仕組みです。発注者をトップとし、元請けのゼネコンから下請けのサブコンへ外注して工事を進めます。建築業界は一次下請けから二次下請け・三次下請けへと外注することから、ピラミッド構造と呼ばれるようになりました。他にもサブコンとゼネコンは、請け負う仕事の種類にも大きな違いがあります。それぞれどのような仕事を行っているのか、以下で解説します。

サブコンは専門分野で分けられる下請け業者

サブコンは基本的に以下4つの設備工事を専門に請け負って、実際に業務を行います。
  • 空調設備工事
  • 電気設備工事
  • 衛生設備工事
  • 消防設備工事
各工事の業務内容を1つずつ解説するので、参考にしてみてください。

空調設備工事

空調設備工事とは建物内の温度・湿度を快適な状態にして、空気をきれいにするための工事です。設計や空調機の設置、工事完了後のメンテナンスなどを主に担当します。対象の建物は商業施設・ホテル・オフィスビルなどで、建物内で快適に過ごすために欠かせないサブコンの1つです。空調設備工事は工事以外に、設備システムの研究や開発にも力を入れています。省エネの効率化やクリーンルームなど、最先端の空調システムを導入して快適空間を作ります。空調システムの導入において、AIを併用して効率良く管理するのも空調設備工事の仕事です。

電気設備工事

電気設備工事とは、建物内で電気を使用可能にするための工事です。電気供給の申請・使用量メーターや分電盤の設置から配線など電気関連工事の総称を指します。業務内容は細かく分かれており、主に以下の4つです。
  • 高圧配管路から建物内へ電気を引き込む工事
  • 電気を使う場所に送電する幹線設備の工事
  • 照明やコンセントなどの配線を設置する工事
  • 通信情報設備の設置工事
上記のように電気設備の工事はさまざまあり、専門的な技術を必要とします。

衛生設備工事

衛生設備工事とは水の排水や供給に関する工事で、以下3つの業務があります。
  • 生活に必要な水を給水する設備機器の設置と配管工事
  • 汚水を外に出すための排水機器の設置
  • 給湯などのガス設備工事
排水に関する工事では、排水ポンプや油などを除去するトラップの設置を行います。そして水の供給は、高架水槽から各部屋に供給したり、受水槽にたまっている水を給水ポンプで汲み上げたりします。その他に洗面台や手すり、鏡などの衛生器具を取り付ける工事も衛生設備工事の業務です。

消防設備工事

消防設備工事とは、消火活動や避難時に必要な設備を設置するための工事です。
  • スプリンクラー・屋内外の消火栓の設置
  • 救助袋・排煙設備・避難はしごの設置
  • 火災報知器の設置
具体的には上記のような工事を行います。消防法に基づき、消防設備は必ず設置しなければいけないと定められています。

ゼネコンの仕事は建築全体の管理

ゼネコンの仕事は建築全体における施工管理となり、大きく分けて以下の4つです。
  • 工程管理
  • 品質管理
  • 原価管理
  • 安全管理
ゼネコンは施工業務を下請け業者であるサブコンに発注し、全体の進捗管理を行います。

工事をスムーズに進める「工程管理」

工程管理とは工事全体の予定を把握し、計画書通りに進めるために業務や日程を調整する管理業務です。現場では常に複数の業者が出入りしているため、全業者がスムーズに工事できるように確認が必要です。効率良く工事を進めるように工程表を作成し、予定がずれないようスケジュール管理をします。工程表は品質やコスト、作業の安全面などを考えながら作成していきます。さらに建築途中で業務変更などがあった際にも、調整する役割も担っています。工程管理は工事を効率良く、無駄なく進めるために重要な仕事です。

設計図通りかを確認する「品質管理」

品質管理とは設計図をもとに建築する中で、デザインや強度などの品質が守られているか確認する管理業務です。品質を確認する際は、品質評価対象の項目ごとに定められている方法で試験を実施します。品質が守られていなかったり間違いが見つかったりした場合は、業務が進む前に軌道修正を行います。加えて工事の進捗に合わせて現場状況を撮影することや、材料の搬入報告書のチェックなども品質管理の仕事です。

予算を管理する「原価管理」

原価管理とは予算の範囲内で工事を行うために、費用を管理する業務です。見積もりをもとに人件費や材料費などの原価計算を行い、赤字にならないよう管理します。建築物の納期は、突然の天候不良や予期せぬハプニングが発生しても、必ず守らなければいけません。納期が延びると、予算オーバーとなって会社の利益が減るため、重要な管理業務となります。なお原価管理は、見積書などの書類作成を担当する場合もあります。

事故を防止する「安全管理」

安全管理とは現場の作業員が安全に工事を進められるよう、環境を整える管理業務のことです。
  • 重量物の落下や高所で転落を防ぐための対策
  • 労働基準法に違反しない勤務時間の管理
  • 作業を開始する前に手順などの確認
  • 作業中の声がけなど安全指導の実施
  • 作業終了後に現場の後片付けやミーティングの実施
主に上記のような安全面の管理を行い、現場での事故を防止するための環境作りを行います。現場によっては、消火設備や手すりの設置なども安全管理の業務に含まれます。建築現場での事故は命にかかわるため、安全管理は必要不可欠の管理業務です。

まとめ

サブコンは空調・電気・衛生・消防設備工事など専門分野が分かれており、業者によって仕事内容は異なります。基本的には、下請け業者としてゼネコンから建設工事の仕事を請け負って、工事を進めていきます。建設工事はゼネコン1社だけでは不可能なため、専門の知識と技術を持つサブコンの存在が必要です。一方ゼネコンは、元請け業者としてマンション・ビル建設の全体を管理する立場となります。工程・品質・原価・安全の管理をはじめ、サブコンのマネジメントなどの業務も担っています。どちらも建築業者ですが、サブコンは下請け業者・ゼネコンは工事全体をまとめる業者と覚えると違いが分かりやすいです。 これから建設業界へチャレンジしたい方の中には、サブコンとゼネコンのどちらがよいのか悩むこともあるでしょう。まずは自分のやりたい仕事を決め、キャリアプランを明確にした上で選択することをおすすめします。
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