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2020年に開催される東京オリンピックとパラリンピックが迫る中、競技場や選手の宿泊施設の建設、国内外から押し寄せる五輪目当ての観光客向け宿泊施設の建設、改修など、建築業界は東京都を中心に約50年ぶりの五輪特需が発生しています。ところが建設会社では欲しい人材の不足が深刻になっており、建設関係の仕事を求める側にとっては求人が多すぎるため、どの会社が自分の適性や特殊技能、ライフスタイルに合致している会社なのか分かりにくい状態となっています。この問題をスムーズに解決するアプローチとして、建築の仕事に特化した就労サイトが注目を集めています。
五輪に限らず国家規模の大型イベントが決まると建築業界は好況に沸きます。1970年の万国博覧会、1975年から1976年にかけて開催された沖縄国際海洋博覧会もそうですが、なんといっても日本の経済を一気に世界の表舞台にまで引き上げたのは1964年に開かれた東京オリンピックでした。壊滅的な敗戦からわずか19年しか経っていなかった当時の東京に競技場や選手村の建設だけでなく、首都高速道路、モノレール、新幹線などの交通インフラも整備され、空前絶後の建設業特需が発生しました。人手はいくらあっても足りず、求人ビジネスも急伸長しました。今回の東京五輪も経済効果は高く、東京都の試算によると需要増加が約1兆2000億円、経済波及効果は3兆円となっています。ただ、さまざまな建設需要の増大とシンクロして現場で働く労働力の確保が大きな課題になっています。
公共職業安定所でのデータを統計化した厚生労働省の一般職業紹介状況をみると、2017年10月の建設技術者の有効求人倍率は6.03倍に達し、初めて6倍の大台に乗りました。今年に入ってもこの基調は変わらず、国内の建築業界はかつてない人材不足が常態化しています。つまり建設業界を目指す人にとっては完全な売り手市場となっています。この業界に身を投じたいと考えているのであれば、建設業に特化した専門サイトをいかに活用するかが、自分が思い描いていた企業の一員になれるかどうかに直結します。
昭和中期における建築業は戦後のどん底にあった日本が戦前の軍事力から経済力志向に転換し、奇跡の復興といわれる高度経済成長社会をけん引しました。壊滅状態にあった道路を復元し、高度化するとともに、東京を中心に巨大ビルを次々に建設します。1958年12月23日に竣工したタワーや1964年開催の東京オリンピックはその頂点にありました。この空前の建築、土木関係の特需にはいくらでも人手が必要であり、当時の求人は主に新聞で行われていました。現在でも建設や土木の人材需要は高く、会社側と労働側双方に大きなメリットがあるのが建設業専門のサイトです。
近年の建築業の求人増の一因は、これまで日本が経験したことがないような異常気象がもたらす自然災害の続発です。毎年のように台風の被害や水害、火山の噴火や大地震が発生しています。あっという間に建築物や橋梁や道路が破壊され、命を奪われたり生活の場を失ったりするという惨事が立て続けに起きています。とりわけ2011年3月11日に発生した東日本大震災では2018年3月9日時点で1万5895人が死亡、2539人が行方不明という未曽有の大惨事となりました。この震災で一気に人手不足となったのが建設、土木、橋梁などの工事現場で働く労働者でした。
自然災害はある程度避けられないものですから、いかに早く立ち直るかというのが国のパワーであり、それを実現するのが建築業です。いまや世界的な異常気象と、それがもたらす自然災害に人類が英知を集めて立ち向かい、立ち直ることは喫緊の課題です。平和で安全な社会の確立に貢献するのは、実際に建物や橋や道路を建設し、物流ルートを進化させ、社会インフラを整備する建設、土建業界であり、人々の暮らしを守り、経済活動を支える中核的存在です。ただ被災現場で知識、技術、体力のすべてを動員するマンパワーは不足しており、ハローワークなど公的支援施設だけでなく、建設関係の求人サイトの役割も重要になっています。
建設ラッシュにわく建築業界が今抱えている最大の問題は深刻な人手不足です。急増する建築需要と求人に対して、業界に入ってくる労働者が恒常的に不足しているのです。この問題を細かく検証してみると、三つの問題点が浮き彫りになってきます。第一は労働力の絶対的不足です。第二に男女雇用均等法に大きく遅れた女性雇用の問題です。第三に機械化の進展と比例してベテラン職人が激減していることです。
労働力の絶対的不足は人口動態統計と直結しています。総務省の国勢調査と人口推計、国立社会保障人口問題研究会による日本の将来推計人口、厚生労働省の人口動態統計データを立体的に分析すると、全人口に対する15歳から64歳までの労働人口の割合は1990年をピークに毎年激減し、ずっと右肩下がりです。一方で労働人口に算入されない65歳以上の人口比率である高齢化率は1950年からずっと上がり続け、2055年ごろには全人口の40パーセントに達すると予測されています。つまり働く人は減り続け、働かない高齢者は増え続ける社会が出現するのです。需要が高い建築業が人手不足になるのは自明の理で、効果的な求人システムの構築が必須となっています。
男女雇用均等法が施行されたのは1986年ですが、建設、土木業界は力仕事というイメージが強いことなどから、企業も建設現場要員として女性を大量採用する流れに至っていません。しかし以前は男性従業員しかいなかったガソリンスタンドで働く女性の姿が何の違和感もなくなったように、建設現場で汗を流す女性を増やす環境整備が大切です。機械化が進み、今後は女性が活躍する場を広げる可能性を高めることが求められます。
深刻なのは独特の勘や機械よりも精度が高い技術を持つベテラン職人がどんどんリタイアしており、その技術や感覚が若手に継承されづらい状態になっていることです。建築業の現場でキャリアを磨いたベテランの判断力や知識、技能は一朝一夕にはできない独特のものです。会社が求める人材を確実に確保することと、建設業界で働く意欲がある若年労働層が働き甲斐を持って長く就労する環境を醸成するためには、ベテランが持っているスキルや経験を合理的に継承できるようなシステムが有効であり、建設業界の求人サイトの活用が人手不足問題を解決に導く重要な戦略です。
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