建設業界は人手不足?求人への影響は?

建設業界は長いこと人手不足といわれています。

実際に1995年から2015年の業種別就労人口データによれば、全産業の平均就労人口がほぼ横ばいなのに対して、建設業は1997年を境に減少を続けています。

2016年には全産業平均に対して約半数にまで落ち込んでしまいました。

今回は建設業界が人手不足となった原因と、今後の求人への影響について解説します。

建設業界の有効求人率は他産業の2~7倍でも人手不足状態が続く理由

有効求人率が他産業全般の1.0人前後と比べて、建設業界は業種によりますがその2~7倍高い状態です。

有効求人率も高いというのに、なぜ建設業の人手不足状態が続いているのでしょうか。

若者離れと高齢化が著しい

少子高齢化社会となっている現在、どの業界も高齢化が進んでいます。しかし、建設業が他業界と比べてひどい人手不足になっているのは、建設業界に入職する若者が激減しているからです。
20~24歳の建設業界入職者数は、以前より7割近く減少しているデータもあります。
その理由は、若者が建設業に3K(キツイ・汚い・危険)のイメージを強くもっているからです。

他業種では当たり前のようになっている週休2日制が定着せず、肉体労働で高所作業など危険なイメージを持つ人も多いのでしょう。
また、建設業界には古い価値観を持つ人が多く、年功序列や昔ながらの職人気質が根付いているケースも多く、若者の価値観と合わないのも理由の1つです。
現場で親方や先輩に叱られながら学ぶといったスタイルは若者にとって受け入れ難いと感じることも多いのではないでしょうか。

需要が拡大しても離職者が戻ってこない

リーマンショックがあった2008年頃から建設業投資額が落ち込み、多くの建設業就労者が契約解除や解雇、終業によって離職しました。
その後、2011年の東日本大震災で需要が高まりはじめ、東京オリンピック関連の施設建設や宿泊施設の建設が進み、建設業界の需要は拡大しています。
しかし、離職した人たちは戻らない、戻れないケースがほとんどでした。

需要は拡大したのに人手が足りず、今ある労働力だけで動かざるを得ないため、過重労働になりやすく、更なる離職者を増やしかねないのが現状でした。

若者を中心に建設業界に興味を持ってもらうための取り組み

建設業界は人手不足解消のため、若者を中心に興味を持ってもらえるようにさまざまな取り組みを始めています。

雇用促進のため3Kイメージの払拭と建設業を身近に感じてもらうための試み

人手不足の解消に最も効果的なのは、新たな入職者を増やすことです。
若者が抱いている建設業界の3Kイメージを払拭し、「建設業界は自分に関係ない」と感じている人たちに建設業界を身近に感じてもらえるような試みを行っています。
例えば、各県の建設業界や工業高校と連携して技能体験研修を実施したり、厚生労働省の助成制度を活用して工業高校の生徒を教育訓練センターに派遣するなどです。
高校生と保護者の見学会を実施して3Kイメージを払拭し、参加した保護者の80%が「子どもに建設業に就かせたい」とアンケートに回答したというケースもあります。

待遇改善によるイメージ改善

人材の流出を防ぐため、就労者の待遇改善に取り組む企業が増えています。
例えば、給与水準を高くして、福利厚生の充実、長時間労働を減らすなどです。
日本建設業連合会でも優良な技能者の年収を600万円にする「優良技能者手当」の設定を目標に取り組んでいます。とある大手ゼネコンでも同様の手当の支給を始めました。
また、社会保険などの法定福利厚生を導入する企業も増えています。ある建設会社では、高卒の職人のために首都圏内に社員寮を建設するなど、若い職人の育成に積極的です。
さらに、手間のかからない省力化工法を利用して、効果的に工事を進めることで職人の待遇改善と人材の定着をはかるケースも増えています。

建設業界は好待遇が期待できる業界に変化しつつある

長いこと人手不足に苦しんできた建設業界は、現在進行形で待遇改善されています。今まで根強く残っていた3Kイメージもいずれ払拭されるでしょう。
今、建設業界は好待遇で入職できる業界に変わりつつあります。就職先に迷った時は、建設業界を選択肢の1つに入れておくことをおすすめします。