国家資格である施工管理技士は学んだ専門知識を生かして建築業界に貢献している職種です。企業によっては多様な仕事内容をこなすこともあり、就職後に予想とのギャップを感じることもあります。
建築業界では人手不足が慢性化しており、特に施工管理技士は高い需要があります。しかし労働時間が長くなるといった労働条件への不満などが募り転職するケースも少なくありません。
この記事では施工管理技士の主な転職理由には何があるのか、転職後にはどのような仕事を選ぶことが多いのかについて説明します。
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目次
建築業のなかで施工管理技士の転職率はどれくらいなのでしょうか。
転職率が高いといわれている建築業ですが、詳しく見ていくと働く人の条件によっても数値は変わっています。
2019年の厚生労働省の調査データによると、建設業において新卒者の3年以内の転職率は高卒の場合で45.3%と全産業のなかでも目立って高くなっています。大卒の場合は27.8%で高卒よりも低くなっているものの、3割程度は3年以内に転職しているのです。
また、施工管理技士の資格を持っている人を比べた場合、1級と2級の取得者の転職率は同じではありません。難関資格である1級の転職率は5%程度と低く、2級では10%程度と増えています。
ただし全体から見ると施工管理技士の転職率は低い数値になっています。取得までに時間や労力がかかる専門的な資格を持っているほうが転職率は低くなると言えるでしょう。
施工管理技士が転職する理由は一つではありません。主な理由を挙げていくと労働条件や人間関係、給与への不満などの項目に絞られます。
ここでは、転職理由ごとの内容を詳しく説明していきます。
どの世代の施工管理技士にも多い悩みとして挙げられるのは、労働条件に対する不満です。
震災復興などのために建築業への需要は高まっている一方で人材不足が進んでいることも加わり、1人が担当する仕事の量は増えているのが実情です。
「休めない」「残業が多い」といった厳しい労働条件が転職の大きな理由になっています。
建築現場が遠い場合には拘束時間が長くなりますし、人手不足のため現場での作業もしなければなりません。
その後にデスクワークをしなければならず、施工管理技士はどうしても残業が多くなりやすいのです。
建築施工管理技士は、現場の監督として各分野の仕事を調整しなければなりません。
建築現場にはさまざまな年代や価値観、性格などの職人や業者が集まり1つの建築物を造り上げます。
そのため、必然的に人間関係の調整も仕事のなかに含まれていると言えるでしょう。
経験豊富な建築施工管理技士であれば、ケースごとに柔軟性を持って対応していくことも可能です。しかし、一般的に若い世代で経験年数も少ない場合は、対処に悩んで転職を検討する理由の一つになることも多くあります。
正社員の施工管理技士の平均年収は約483万円※というデータもあります。
しかしながら、子育て世代の場合などは教育費や住宅ローンといった多額の出費があり生活費を大きく圧迫しているのが実情です。
現在の給与が業務量や忙しさに見合っていないと感じてしまう人も少なくありません。
施工管理技士はニーズが高まっている職種なため、自分の市場的な価値を客観的に判断してみることも必要です。そのうえで、今後のキャリアアップや給与が上がるような転職を検討してみるのも良いでしょう。
※2020年1月時点の求人データの統計から算出
いくら頑張っても上司や周囲から正当に評価されない、という不満も転職理由の一つです。
高い目標を設定してキャリアアップを目指す人が悩みやすい転職理由と言えるでしょう。
このような悩みを持った場合は、改めて自分の技術力を客観的に確認してみることで見えてくるものもあります。客観的に見ても自分のスキルは高いと自己分析できる場合は、より能力を発揮できる企業への転職を検討する価値があります。
しかし、人間関係や技術力不足が原因だったというケースも多く見られるため、この理由での転職を検討する際には注意が必要です。そのような場合は、別の企業に転職しても同じような不満を持ってしまうことになるでしょう。
建築業界は大企業が目立つため好景気のように見えますが、地方の中小企業や零細企業にとって経営は簡単ではありません。
そのため、経営統合によるリストラや倒産で転職を余儀なくされるケースもあります。会社の都合による転職は本人には非がないので、需要の多い施工管理技士の転職はむしろ有利と捉えましょう。前職よりも年収アップすることを目指して前向きに転職活動をすべきです。
建築業界で求められるより上の資格取得を目指すため、という理由で転職するケースもあります。現在の職場では残業が多くて勉強する時間が取れない場合は資格取得を奨めている企業への転職がおすすめです。
例えば、資格取得のために制度を設けている企業もあります。残業や休日出勤を減らし資格取得を支援してくれるような企業なら、業務をこなしながら関連する資格を目指して勉強することも可能でしょう。
施工管理技士はどの職場でも同じ業務が与えられるわけではありません。企業によって業務の分担が異なっていることが多い点には注意が必要です。
入社前に確認しないと、考えていた仕事や面接時に聞いていた仕事と違う、やりたい仕事をやらせてもらえないなどと悩んでしまいます。
このような企業とのミスマッチが起こらないよう、転職を検討する際には条件以外にも自分の技術を生かせるような転職先なのかを慎重に検討することが大切です。
昨今の問題として取り上げられることの多い介護など「家庭の事情」も施工管理技士が転職する理由として増えています。
高齢の親を看るために実家のあるエリアに引っ越しすることになれば転職する必要があります。一部の企業では介護支援体制を構築して転職予防に努めていますが、現場中心という施工管理技士の特徴もあるため解消するのが難しいのが現状です。
施工管理技士が転職する理由はさまざまで、個々の事情があることが分かりました。
ここでは、離職した多くの施工管理技士が転職先に選ぶ仕事について説明しますので、転職する際の参考にしてください。
施工管理技士は建築分野の専門家ですが、この分野はさらに建築に使う材料に関する技術や建設機械などの分野に分けられます。
日進月歩の技術をすべて身につけるのは難しいため、興味を持った専門分野の企業へ転職するケースも多くなっています。経験を積むなかで自分のやりたいことが見つかった場合、特定分野の専門的な技術の取得を目指すためです。建設機械関連やIT管理・環境管理、安全衛生管理システムなど、施工管理技士が目指す専門分野は多岐に渡っています。
施工管理技士が目指す技術には、設計に欠かせない「CAD」を使用する図面作成があります。基本的な技術を習得し現場での経験を積んでいるため、これまでの経験を生かし即戦力として働けることや、より専門的な技術を習得するために技術者を選ぶ人も少なくありません。
また、より高度な分野の研究をしたいと、建築関連の研究所や大学の研究者になるケースや設計コンサルタントになる場合もあります。
建築現場では多様な職種が関わるため、おのずとコミュニケーション力は高まります。直接関わる職人や公的機関、業者だけでなく、周辺住民など多くの人と臨機応変に対応できないと工事は進みません。
これは営業職が必要とするコミュニケーションスキルと共通するものです。そのため、施工管理技士は幅広い知識が必要な建築業の営業職に転職して活躍するケースも多くあります。
工事全体を把握して進行したいと考える場合は、技術系の公務員を目指すのも一つの方法です。年齢などの条件は自治体ごとに異なりますが、施工管理技士としての経験があれば土木などの部署へ中途採用されるケースもあります。
技術系の公務員は、現場監督よりも発注から工事完了まで総合的にマネジメントできる仕事です。技術系公務員を目指すには、定期的に各自治体の募集をチェックして、条件が合う場合は積極的に応募することをおすすめします。
施工管理技士は国家資格を持っていることに加えて建築業界での需要が高まっているため、転職しやすい職種です。現在の会社や仕事に悩みがあるなら、転職について検討するのも良いでしょう。
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