電気工事施工管理技士とは?電気工事士との違いも解説

建設現場で仕事をしている人のなかには、スキルアップのために建設や電気に関する資格の取得を検討している人もいるのではないでしょうか。

電気にかかわる資格のなかで、比較的難易度が高いもののひとつが「電気工事施工管理技士」です。この記事では、電気系統の資格として比較的メジャーな「電気工事士」との違いも含めて、電気工事施工管理技士について詳しく解説します。

なお、この記事は2020年8月時点の情報を基にまとめてあります。受験する際は必ず最新の情報を確認するようにしてください。

※参考
施工管理技術検定とは|一般社団法人 建設業振興基金
https://www.fcip-shiken.jp/about/index.html

電気工事施工管理技士とは?


「電気工事施工管理技士」は電気工事にかかわる分野の国家資格で、1級と2級があります。名称に「管理」という文字が入っているように、電気工事施工管理技士は電気工事の現場を統括したり、工程・スケジュールの調整をしたりなど、管理業務を担う役割がある資格です。

ほかにも、資格を所有していれば電気工事の施工計画を立てる業務や、工事が安全に行われるように監督する業務もできるようになります。

2級を取得すれば営業所ごとの一般建設業の許可を受けるために必要とされる専任技術者や、工事現場の主任技術者という位置づけで仕事をすることができます。さらに1級を取得すれば、特殊建設業の専任技術者や監理技術者としての業務に携わることが可能です。

業界内での需要も高く、転職する際には有利になるでしょう。また、責任を多く背負うようになる分、給与面では資格手当が支給されることも多くあります。

電気工事士との違い

電気工事施工管理技士と同様に、電気工事の現場でよく知られる資格として「電気工事士」もあります。

電気工事士には第一種と第二種があり、第二種の資格を持っていれば、600ボルト以下の一般住宅や店舗の工事が行えます。第一種になると第二種が従事できる範囲はもちろん、最大電力が500キロワット未満の工場やビルなどの工事に従事することが可能です。

つまり、第一種と第二種でかかわることのできる業務の範囲に違いがあるものの、基本的に電気工事士は実際に工事を行う職人として必要な資格です。一方で、電気工事施工管理技士は電気工事の管理や監督をするために必要となります。また、同じ国家資格でも、電気工事士は経済産業省の管轄、電気工事施工管理技士は国土交通省の管轄という違いもあります。

電気工事施工管理技士になるためには試験が必要

電気工事施工管理技士になるためには、まず「一般社団法人 建設業振興基金」が実施している「施工管理技術検定」に合格しなければなりません。1級と2級があり、それぞれ学科試験と実地試験があります。

合格発表後は合格証明書交付申請を行い、国土交通省から合格証明書が交付されれば晴れて電気工事施工管理技士として仕事ができるようになります。

試験日程

電気工事施工管理技士1級の試験は年一度しかなく、毎年1月末から2月上旬に申し込みを行い、学科試験が6月頃、実地試験は10月頃に行われます。なお、実地試験は学科試験に合格しないと受験することができません。前年度の学科試験に合格した人や、技術士法による一定の条件を満たした人の場合は、学科試験を免除され、実地試験から受験することができます。

2級の試験は試験区分が3つに分かれています。学科試験と実地試験を両方受ける場合は秋ごろ同日に試験が行われます。学科試験のみの区分では、17歳以上であれば誰でも受けることができ、通常前期と後期の2度のチャンスがあります。また、学科試験が免除になる資格を有している人は、秋に行われる実地試験のみの日程で受験することが可能です。

試験会場

試験開催都市は1級と2級の前期学科のみの試験が札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄の10カ所で行われています。2級の学科・実地試験両方と実地試験のみの開催は上記10都市に青森・金沢・鹿児島の3都市を加えた13カ所です。2級の後期学科のみの試験は13カ所に、学校申込の開催地区8カ所を加えた全21カ所で開催されています。

受験料

受験料は1級の学科試験と実地試験がそれぞれ1万1,800円です。2級は学科試験と実地試験を同時に受験する場合、合計1万1,800円、学科試験・実地試験いずれかを受験する場合は、それぞれ5,900円です。願書はインターネットおよび所定の機関の窓口で、1部税込600円で販売されています。

受験資格

電気工事施工管理技士は、1級・2級ともに受験資格が細かく規定されていることが大きな特徴です。大学や短期大学、専門学校の過程などのほか、指定学科であるかどうかでも分かれています。また、関連する電気系統の資格を所有していることでも違いがあります。

一部は実務経験年数が問われないケースもありますが、ほとんど電気工事施工管理技士の試験を受けるためには実務経験が必要です。最終学歴や資格の取得状況によって必要とされる実務経験も異なるため、受験を考える際は確認しておきましょう。

1級受験資格


※出典
1級 電気工事施工管理技術検定のご案内|一般社団法人 建設業振興基金
https://www.fcip-shiken.jp/den1/

2級受験資格


※出典
2級 電気工事施工管理技術検定のご案内|一般社団法人 建設業振興基金
https://www.fcip-shiken.jp/den2/index.html

試験概要

1級・2級それぞれの試験について、試験時間と出題範囲や出題数・解答数、および合格基準について、概要をまとめます。

1級

1級の試験時間は、学科試験が午前中に2時間30分、午後に2時間あります。その後、別の日に行われる実地試験は3時間です。学科試験はマークシート方式で行われる4肢択一の問題が92問出題され、そのうち60問を選択して解答しなければなりません。実地試験は記述式で5問出題され、全問解答する必要があります。

出題範囲は学科試験の午前の部で電気工学と電気設備、関連分野と設計・契約関係の問題、午後の部で工事施工、施工管理、法規の問題が出題されます。実地試験は施工経験記述と施工管理法、電気設備全般、法規からの出題です。学科試験は60問以上解答したうちの36問以上の正解で合格、実地試験は60%以上の正解率が合格基準です。

2級

2級の試験時間は学科試験が2時間30分、実地試験が2時間です。学科試験はマークシート方式の4肢択一の問題が64問出題され、40問を選んで解答します。実地試験は記述式で1級と同じく5問の出題です。

学科試験の出題は電気工学と電気設備、関連分野と施工管理法、法規の分野から出題され、実地試験の記述式では施工経験記述と施工全般、法規から出題されます。合格基準は学科試験で選択した40問中24問以上の正解で合格、実地試験は正解率60%以上です。

試験の難易度


一般的に級が分かれている試験の場合、1級と2級で合格率が大きく変わることが多く、上位の級の合格率が低くなるケースが珍しくありません。しかし、電気工事施工管理技士の試験は1級と2級でそれほど大きな差がなく、合格率はどちらも50%前後という比較的近い数値のまま横ばい傾向で推移しています。

例えば、1級の学科試験の合格率は2017年が48.0%、2018年が56.1%、2019年で40.7%、実地試験は2017年が62.5%、2018年が65.3%、2019年で66.3%です。

一方、2級の学科試験の合格率は2017年の前期試験が62.8%、2018年前の前期試験が65.3%、後期試験が61.6%、2019年の前期試験が56.3%、後期試験が58.7%でした。2級の実地試験の合格率は2017年が40.0%、2018年が43.2%、2019年で45.4%です。

キャリアアップや転職に活かして

電気工事施工管理技士の資格は、電気工事の現場で管理業務を行うことができる資格です。実際に電気工事を行う際に必要な電気工事士の資格だけではなく、電気工事施工管理技士の資格も所有していれば、請け負える仕事の幅も広がることでしょう。

また、資格手当がつくなど給料アップにつながるほか、転職する際には有利に働くことがある資格です。電気工事にかかわる仕事でキャリアアップを目指すなら、電気工事施工管理技士の資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。