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40代の施工管理者は転職できる? 転職市場の動向と成功のポイント

40代の施工管理者は、年齢的な不安から新たな企業へ転職することを躊躇する方も多いのではないでしょうか。しかし建設業界では今、豊富な経験を持つ人材への需要が高まっており、40代ならではの強みを生かせる場合もあります。

本記事では、40代の施工管理者として転職を目指す方に向けて、市場動向や転職を成功させるためのポイントなどを解説します。新たな企業でのキャリアを形成したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

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40代の施工管理者は転職できる? 市場動向と求められるスキル

40代の施工管理者は転職について不安が多いかもしれませんが、建設業界の市場動向は堅調で、豊富な経験と実績を持つ4人材が即戦力として求められることもあります。

施工管理者の求人市場の動向

国土交通省の「令和6年度(2024年度)建設投資見通し概要」によると、全体の建設投資額は堅調に推移している状況です。災害復興需要やインフラ整備、都市開発プロジェクトなどにより、2012年度から2021年度にかけては緩やかな拡大傾向が続いており、民間非住宅建築や土木分野への投資は増加しています。2022年度から2024年度もこのまま増加となる見通しです(※1)。

一方で、建設工事に関する有資格者数(施工管理技士など)は横ばいで推移しており、現場の需要と供給のバランスが崩れています(※2)。建設工事の実施には法律により主任技術者や監理技術者の配置が義務付けられており、これらの役職には施工管理技士などの国家資格と実務経験が必要です。

このような背景から、経験豊富な40代の施工管理者は即戦力の非常に貴重な人材として扱われると予測されます。

※1 参考:国土交通省.「令和6年度(2024年度)建設投資見通し概要」.

※2 参考:国土交通省.「建設業(技術者制度)をとりまく現状」.

40代の施工管理者が転職先で求められるスキル

40代の施工管理者に求められるスキルは、技術的な能力だけでなく、総合的なマネジメントスキルです。長年の経験から培われた現場での判断力や、トラブル時の対応力は、若手にはない強みと言えるでしょう。

特に重要視されるのは、複数の案件を同時並行で管理できる能力です。企業規模や建てる住宅のタイプにもよりますが、例えば住宅施工管理では、年間20~30件程度の並行管理が求められることもあります。また大規模プロジェクトや難易度の高い案件への対応力が、評価対象となるケースもあります。

さらに、チームをまとめるリーダーシップやコミュニケーション能力も不可欠です。現場の職人や協力会社との調整、若手社員の指導や育成などの人材マネジメントの経験が必要とされる場合もあるでしょう。

40代の施工管理者の平均年収はどれくらい?

40代の施工管理者として転職を検討する際、やはり気になるのが待遇面でしょう。40代は経済的な責任が増大する時期であり、家族の生活や将来の計画を考える上でも年収は重要です。

厚生労働省の職業情報提供サイトによると、2024年度では建築施工管理技士の平均年収は40代前半で約704万円、40代後半で約734万円となっています(※1)。土木施工管理技士の場合は629~680万円程度と年収が少し下がる傾向です(※2)。ただしあくまで全国平均であり、実際の年収は地域や企業規模、資格の有無などの条件によって変わります。

2023年度の建設業界全体の平均年収が約547万円(※3)である点を考えると、調査年は1年異なるものの、施工管理技士の年収は比較的高い水準と言えるでしょう。

さらに、経験豊富な40代の施工管理者は、転職によって年収アップを実現するケースも少なくありません。過去の実績を高く評価する企業や人材不足に悩む成長企業では、好条件での採用も期待できるでしょう。

※1 参考:厚生労働省.「職業情報提供サイトjob tag」.“建築施工管理技術者”.
※2 参考:厚生労働省.「職業情報提供サイトjob tag」.“土木施工管理技術者”.
※3 参考:国税庁.「第12表 業種別及び年齢階層別の給与所得者数・給与額」.

40代の施工管理者が転職を考える主な理由


40代の施工管理者が他の企業への転職を考えるのは、さまざまな理由があります。

体力的な限界を感じる

40代になると、20代や30代の頃と比べて体力の衰えを実感する場面が増えてきます。施工管理の仕事は、長時間の立ち仕事や不規則な勤務が多く、体力的な負担が大きいのが実情です。

慢性的な疲労が蓄積しやすくなったり、高所での作業確認や細かい図面のチェック時に視力の低下を感じたりと、年齢による身体的な変化が影響することもあるでしょう。

このような体力面での不安は、精神的なストレスにもつながります。常に疲労感を抱えながら責任の重い仕事を続けると、メンタルヘルスへの悪影響も懸念されることから、より負担の少ない環境を求めて転職を考える方も多いのです。

キャリアアップの見通しが立たない

40代になると、キャリアの先行きに不透明感を抱く人も少なくありません。例えば、数年間同じような規模のプロジェクトばかりを担当していたり、管理職への昇進が見込めなかったりすると、将来への不安を感じることもあるでしょう。

特に中小企業では、上位のポジションが限られているため、キャリアアップの機会が少なくなりがちです。挑戦的なプロジェクトに関わることを希望していても、若手が優先される場合もあります。

このような背景から、新たな挑戦の機会や成長できる環境を求めて転職を考える方もいます。

給与面で不満が出てくる

40代は、子どもの教育費や住宅ローン、老後の資金準備など、経済的負担が重くなる時期です。しかし、勤務先の給与制度によっては、大幅な昇給が見込めない場合もあります。そこで、将来の生活設計を考えたときに現在の給与では不安だと感じ、成果に応じた評価制度を設けている企業や、より高い報酬が見込める企業を求めて転職を考える方もいるようです。

特に年功序列型の給与体系が残る企業では、給与の伸びが鈍化したり、頭打ちになったりするケースが多いです。長時間労働や責任の重さに対して、給与水準が見合わないと感じることもあるでしょう。

家族との時間を確保したい

40代は家庭内での責任も大きくなる時期です。子どもの学校行事や進学、親の介護など、家族と過ごす時間の重要性を実感する場面が増えてきます。

しかし、施工管理の仕事はプロジェクトの進行状況により、休日出勤や長時間労働が避けられないケースも多く、家族との時間を確保しにくいのが現状です。

大切な家族行事に参加できなかったり、家にいても仕事のことが頭から離れなかったりすると、家族にとっても本人にとっても大きなストレスとなります。

こうした背景から、働き方を見直し、家族との時間を大切にできる職場を求めて転職を検討する方もいます。

40代の施工管理者が転職するメリット

40代の施工管理者が転職する際には、リスクが先に考えられがちですがメリットもあります。

キャリアアップのチャンスがある

40代の施工管理者の転職では、これまでの経験が評価されれば、より上位のポジションでの採用につながる可能性があります。場合によっては管理職やプロジェクトマネージャーなど、裁量の大きい役職での採用も期待できるでしょう。

一概には言えませんが、中小企業から大手ゼネコンへの転職や、専門分野での知識を生かした転職に成功すれば、待遇面での改善が期待できることもあります。特に、1級施工管理技士の資格を保有している場合は、監理技術者として大規模プロジェクトを任される可能性もあります。

また、若手の育成や技術継承といった役割を任せられれば、長年の経験を生かして人材育成に貢献できるのも、大きなやりがいとなるでしょう。

安定性や成長性のある企業を目指せる

40代での転職は、これまでの経験を活かしながら、安定性や成長性のある企業へ移るチャンスでもあります。

建設業界では近年建設投資額が緩やかに増加している傾向にありますが、この流れは将来にわたって保証されているわけではありません。不況や人口減少、資材価格の高騰など、マイナス要因が発生すれば、建設需要の減退や業績悪化の可能性も否定できません。

一般的に、企業規模が小さいほど経済的な変動の影響を受けやすく、リスク耐性が低い傾向があります。一方で、財務基盤が安定し実績と取引先が豊富な企業であれば、外部環境の変化にも柔軟に対応でき、雇用や給与水準へのしわ寄せも抑えられる可能性が高まります。

さらに、継続的に成長している企業では、新しいプロジェクトへの参画やスキルアップの機会も豊富なことが多いです。こうした企業に転職できれば、40代からでも将来的な安心と自己成長の両方を実現できる可能性があります。

自分に合った労働環境の仕事が見つかる

40代は、働き方の見直しを図るタイミングでもあります。転職活動を通じて、ライフスタイルや価値観に合った労働環境を選択しやすくなるのも大きなメリットです。

最近では、施工管理者の業務負担を軽減するためのシステム化を進める企業も多く、無理なく働ける体制づくりに力を入れる企業も増えています。

また、担当案件数の調整などによって、現場に過度な負担をかけない環境を整えている企業もあります。

働き方の希望や優先順位が明確になっている40代だからこそ、転職活動を通じて、より自身に適した労働環境を見つけやすいと言えるでしょう。

40代の施工管理者が転職する際の注意点

施工管理者の転職を成功させるためには注意点を十分に理解し、適切な準備を行うことが重要です。

再就職は簡単ではないことも

40代での転職は、若い世代と比べて求人の選択肢が限られる場合があると理解しておきましょう。企業によっては、長期的なキャリア形成を理由に年齢制限を設けている場合もあり、年齢を理由に応募対象外となるケースも見受けられます。

また、長年同じ会社で働いてきた場合、新しい環境への適応力を不安視されることもあります。規模が異なる企業への転職では、仕事の進め方や組織文化の違いに戸惑う可能性もあるでしょう。

しかし、これらの課題は事前の準備と心構えで乗り越えられます。自身のスキルや経験を客観的に評価し、市場価値を正確に把握すれば、現実的な転職活動を進めることが可能です。

収入面でのリスクがある

転職によって必ずしも収入が上がるとは限らない点も注意が必要です。厚生労働省の調査によると、2023年度の転職による賃金の変動は、前職の賃金に比べ「増加」は約37%、「減少」は約32%、「変わらない」は約28%となっています。増加した人は3割を超えてはいるものの、減少した人も3割程度いることが分かります。

また、転職直後は試用期間が設けられており、その間は基本給のみで各種手当や賞与が支給されないケースも多いです。前職での役職手当や勤続年数による加算がリセットされて、一時的に収入が減少する可能性も珍しくありません。

先述の通り、40代は教育費や住宅ローンなどの固定費が多くかかる年代です。転職前に家計の見直しや貯蓄状況の確認を行い、一時的な収入減少にも対応できるように準備をしておくことが大切です。

※参考:厚生労働省.「令和5年雇用動向調査結果の概況」.”P16”.https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/24-2/dl/gaikyou.pdf ,(2024-08-27).

転職先のミスマッチに注意する

施工管理者の仕事は、分野や案件の種類によって求められるスキルや業務内容が大きく異なります。同じ建築でも住宅・オフィスビル・商業施設など種類はさまざまで、木造かRC造かによっても工事の方法も変わってきます。

そのため、転職先の主力事業や担当する可能性のある工事の規模、使用する管理システムなどを事前に確認し、自身の経験と照らし合わせて適性を見極めることが大切です。

また、企業文化や職場の雰囲気も重要な判断材料です。面接時には実際の業務や職場環境について積極的に質問し、入社後に大きなギャップが生じないようにしましょう。

新技術にも適応する姿勢が必要になる

近年、建設業界でもデジタル化が急速に進んでおり、BIM(Building Information Modeling)やドローンを活用した測量など、新しい技術の導入が進んでいます(※)。新技術に対して苦手意識を持つ40代の施工管理者も少なくないでしょう。

従来の経験や勘に頼った仕事の進め方から、データやシステムを活用した効率的な管理手法への転換が求められる中で、新技術への適応に不安を感じるのは自然なことです。しかし、転職後のキャリアを考えると必要になることも多いため、適応していく姿勢が必要です。

基礎がしっかりしている40代にとって、新しい技術に対応できれば、さらに強みになると捉えることもできます。豊富な経験に加え、新技術にも対応できるスキルを持ち合わせていれば、その分需要は高まることが期待できるため、前向きに取り組むことが大切です。

※参考:国土交通省.「国土交通省白書 2023」.“国土交通省のデジタル化施策の方向性”.

家族への影響を考慮する

40代での転職は、自身だけではなく家族に影響を与える可能性があります。転職に伴って引っ越しが必要な場合、子どもの転校や配偶者の仕事にも影響する場合があるでしょう。

また勤務体系や勤務地の変化によって、休日出勤が増える、帰宅時間が遅くなるといったケースが考えられます。先述したように転職によって収入が低下した場合、生活費などが不足して、家族の生活水準に反映される懸念もあります。

転職を検討する際には家族と十分に話し合い、方向性を決めることが大切です。家族の理解と協力を得てから転職活動を進めると、転職後も生活の安定を維持しやすくなるでしょう。

40代の施工管理者が転職を成功させるポイント


40代の施工管理者が転職を成功させるためには、ポイントを押さえた戦略的な準備と適切なアプローチが不可欠です。

企業や職種について理解を深める

転職を成功させるためには、応募先の企業や職種について深く理解することが重要です。企業の事業内容や経営方針、主要な取引先、今後の展望などを事前に調べておきましょう。

応募先の企業が手がける主要なプロジェクトの種類や規模も確認しておくことをおすすめします。自身の経験が生かせる分野か、どのような技術や知識が必要かを事前に把握しておくと、面接で的確なアピールが可能となるはずです。

また、建設業界全体の動向や将来性についても情報収集を行うことで、キャリア形成について考える際に役立ちます。

自己分析で強みを把握する

40代の転職では、これまでの経験を整理し、自身の強みを明確にすることが重要です。単なる年数だけではなく、具体的な実績や成果を数字で示すと説得力のあるアピールが可能となります。

例えば、「総工費30億円規模のプロジェクトを予算内で完遂した」「工期を10%短縮して完成させた」など、具体的な数字を交えて明文化しましょう。トラブル対応の経験や困難なプロジェクトを成功させた経験なども評価につながります。
技術的なスキルだけでなく、マネジメント能力やコミュニケーション力、問題解決能力など、ソフトスキルについても棚卸しを行っておくとよいでしょう。

スキルアップに取り組む

転職活動と並行して、スキルアップに努めることで、自身の市場価値を高められます。建設業界ではデジタルの活用が進められているため、BIMやCADソフト、プロジェクト管理ツールが使えると強みになる場合があります。

資格取得も有効な手段です。1級施工管理技士の資格を持っていない場合は取得を目指したり、関連する他の資格にチャレンジしたりすると、専門性を高められるでしょう。

学習へ積極的に取り組む姿勢は、年齢に関係なく成長を続ける人物としてのアピールにもつながります。40代でも新しい知識を学ぶ意欲がある点は、企業側からプラスの評価を得やすくなるでしょう。

自身が働きやすい環境かどうかを見極める

転職先を選ぶ際は、給与や待遇だけでなく、自身が長期的に働きやすい環境かどうかを慎重に見極めることが大切です。労働時間や休日の取得状況、職場の雰囲気、実際の労働環境など、企業のWebサイトや求人情報だけでは分からない情報も、できるだけ詳しく確認しましょう。

また広い年代に言えることですが、教育制度や福利厚生、退職金制度なども、職場を選ぶ際の重要な判断材料となります。面接の際には遠慮し過ぎず要点を押さえた質問をして、自身の価値観や希望する働き方とマッチしているかを確認することが大切です。

転職後のキャリアパスをイメージする

40代での転職は、残りのキャリアをどのように築くかを考える重要な節目です。管理職として組織運営に携わりたいのか、あるいは専門性を高めてスペシャリストとして活躍したいのか、方向性を明確にしておきましょう。

また定年後の再雇用制度や、シニア世代の活躍事例なども確認すべき点です。中長期的なキャリアパスを見据えて転職することで、入社後のギャップや迷いがより少なくなるはずです。

まとめ

40代の施工管理者の転職には、豊富な経験と実績を生かした新たなキャリアを築くチャンスがあります。転職により待遇を改善できる可能性もあるでしょう。

一方で、転職にはリスクや不安も伴います。現実的な準備と自己分析を行い、自分に合った環境やキャリアパスを見極めることが大切です。

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